2024.12.06
News
この度、当センターの馬場淳一特任准教授は国立天文台の辻本拓司助教、神戸大学大学院理学研究科の斎藤貴之准教授と共同で、
天の川銀河内における太陽系の移動とその周辺環境の変化に関する数値シミュレーションを実施しました。その結果、太陽系
が約 46 億年前に現在の位置よりも銀河系中心に近い危険な環境で誕生し、長い年月をかけて安全な外側領域に移動してきたことを
示す新たなメカニズムを明らかにしました。
本研究では、天の川銀河系の構造進化が太陽系の移動に寄与する可能性を初めて詳細に解析しました。
また、太陽系が移動する過程で周辺環境がどのように変化し、それが地球上での生命の進化にどのような影響を与えたのかについて、
さまざまな視点からの考察を行っています。この研究により、「銀河ハビタブル軌道」という新しい概念が生まれ、
従来の空間的な「銀河ハビタブル領域」という考え方を超えた動的な生命環境の理解に向けた新たな視点が示されました。
さらに、この研究は、太陽系以外の惑星系における生命適応環境の多様性や、惑星系進化における
銀河ダイナミクスの役割を考察するための新たな道筋を示しています。
本研究の成果は、2024 年11 月 26 日に、The Astrophysical Journal Letters に掲載されました。
関連リンク
【国立天文台 科学研究部】
https://sci.nao.ac.jp/main/
【神戸大学 大学院理学研究科 惑星学専攻】
http://www.sci.kobe-u.ac.jp/planet/
【鹿児島大学 ニュースリリース2024(令和6)年】
https://www.kagoshima-u.ac.jp/about/post-128.html
【問い合わせ先】
(研究内容に関すること)
鹿児島大学 理工学研究科附属 天の川銀河研究センター/国立天文台 科学研究部
馬場淳一(特任准教授)
Email: junichi.baba@sci.kagoshima-u.ac.jp
Tel: 099-285-8195(直)