国際天文学連合シンポジウムを盛大に開催

2023.04.26

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 本学天の川銀河研究センター、国立天文台水沢VLBI観測所、国際天文学連合(IAU)共催の第380回IAUシンポジウム 「宇宙メーザー – 次世代大型事業に向けた『固有運動」」 が、2023年3月20日から24日にかけてライカ南国ホール(鹿児島市)にて盛大に開催されました。28カ国から172名が参加登録し、うち110名程度(研究者の同伴者含む)が対面で参加しました。鹿児島で開催されてきた天文学に関する国際会議としては最大規模となりました。またこれを記念して、3月25日には稲盛会館にて市民講演会、3月29日から31日かけて市民向け電波天文学実習(国立天文台VERA入来観測局の見学・特別公開及び小型電波望遠鏡製作とそれを使った天の川の観測)も開催されました。この様な国際的なMICEの鹿児島誘致と期待される地元への波及効果が高く評価され、日本政府観光局(JNTO)の「国際会議誘致・開催貢献賞 国際会議誘致の部・特別賞」を受賞しました。

 宇宙メーザーは、本学が国立天文台と共同運用するVERA 20 m電波望遠鏡の主要観測対象の天体であり、巨大ブラックホールの周囲、星形成の現場、激しく物質をまき散らす終末星の周囲に見られます。宇宙膨張、星の形成や終末期進化、天の川銀河の立体構造に関するものを中心に、多くの天文学分野で宇宙メーザーの振る舞いが注目されています。本会議では、天文諸分野における研究成果と宇宙メーザーとの関わりについて基調講演があり、次いで、ここ数年において飛躍を遂げた宇宙メーザー研究について100を超える成果が発表されました。また、国際共同研究事業の推進に関しても打ち合わせが行われました。こうして、宇宙メーザーに関する今後の重要研究課題をはっきりさせることになりました。鹿児島に集まった研究者間の久し振りの対面交流は、小旅行や夕食会も通して非常に活気に満ちたものとなりました。会議にボランティア参加し次世代の研究を担う鹿児島大学の学生も、世界レベル研究の最前線を垣間見ることができ、海外から来日した学生との交流も深まりました。

 

MICE: Meeting, Incentive travel, Convention, Exhibition/Events の頭文字をとったもの