恒星の進化末期において、水蒸気メーザーを伴う双極高速分子ガス流(ジェット)を放出する天体には、「宇宙の噴水」というニックネームが付いています。
研究室代表の今井は、研究室に合流前だった星野や共同研究者らと共に、ALMA (Atacama Large Millimeter-submillimeter Array)を使った観測で取得した宇宙の噴水天体の代表格W43Aのデータを解析しました。
その結果、ジェットの根本に出現している一酸化珪素(SiO)メーザー放射を伴うガスの運動から、ジェットの根本の正確な座標を割り出し、ジェットを形成する連星系(2つの星から成るシステム、天体が遠く2星が近すぎるので、この2星を分離して識別できていない)のサイズが20天文単位以内であることを突き止めました。
天の川銀河中たった16天体しか発見されていないこの種の天体の真の姿・恒星進化段階を知る貴重な手掛かりをつかみました。この成果は、米国雑誌The Astrophysical Journal に2025年7月出版されました。
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2025.07.05 執筆:今井