VLBI Exploration of Radio Astrometry
VERA
(天文広域精測望遠鏡)
2ビーム同時受信システムを採用した口径20mの電波望遠鏡を4台使い、10マイクロ秒角の精度で電波源の位置を測定します。2002年から運用されています。
Japanese | English
我々の研究室では、電波干渉計と呼ばれる特殊な方法を使って、星の進化過程における「ダークサイド」を電波で観測しています。
私たちは、星が主系列を外れて新しい星を作る材料となるガスや塵を噴出する特別な瞬間を観測しています。星の死と誕生に見られる現象は、星の生涯に比べてほんの一瞬の間に起こります。したがって、この段階にある天体の物理現象の解明は非常に難しく、観測、分析や議論には卓越した戦略、天文学、物理学、化学、数学など幅広い分野の包括的な知識が必要になります。
進化末期や死にかけの星から放出された物質は、集積して新しい星の素となります。そのような物質は天の川銀河やそれ以外の系外銀河が占める広大な空間に分布しています。星の物質循環の全体像は広域調査によって明らかにできますが、実際の観測はとても大変になります。特に、1AUから200万AU(1000pc)間の階層構造調査は、特定の年代に星間・星周物質がどのように分布・集積をしているかを理解するのに重要です。
近年、高解像度の電波画像は干渉法と呼ばれる技術で合成されています。より高感度な画像合成には、望遠鏡の口径を広げるか、複数の小さな望遠鏡を集めて同期させることが必要です。一方、より高解像度な画像合成には、望遠鏡の直径を広げるか、小さな望遠鏡間の基線を長くとる必要があります。大陸間での電波干渉を可能にするのがVLBIです。VLBIに使われる望遠鏡は高精度で座標が監視されているだけでなく、とても正確な時計に加え、信号の高速伝送・記録を可能にするシステムを備えています。
広域調査とVLBI観測には国際的な協力が不可欠です。国際的な結びつきは、情報や研究アイデアの交換、観測の機会などを通して築き上げられます。近年の情報技術によって、国際間のチームや組織の運営はずっと容易になりました。各国の研究者と円滑なコミュニケーションをとることは、専門分野に留まらず、友情や人間性などの幅広い知見を与えてくれます。
1982年に作られた20〜116GHzの電波を高感度で受信できるミリ波用の口径45mにもなる大型の電波望遠鏡です。
EAVNを使った10年にも及ぶ根気のいる一酸化珪素(SiO)及び水(H2O)メーザーをVLBI監視観測する事業です。2018年に開始しました。
野辺山宇宙電波望遠鏡を使ったSiOメーザとH2Oメーザーの監視観測事業です。観測対象には噴水のようにジェットが飛び出しているユニークなメーザー源が主標的です。
3周波数バンド同時VLBI観測を実現すべく、野辺山宇宙電波望遠鏡の光学系及びVLBI観測システムのアップグレードをしています。